エルウィン・ホーフラント 氏

ドイツ・ヴォルベック生まれ、トウェンテ地方育ち。1981年に軍に入隊し、ブレダ、ライスワイク、ブリュッセル、ハンブルクにて多様な軍事訓練プログラムを修了。2023年7月上旬まで国防省にて複数職務を歴任し、ボスニア、マケドニア、イラク、アフガニスタンへ4度派遣される。2017年から2020年までは外務省で軍事戦略顧問を務める。1988年以降VVD（自由民主人民党）に所属。南ホラント州およびオーバーライセル州の州議会で議員を務めるなど、党内で多岐にわたる役職を歴任。

ダーン・ラウニング

培養肉ムーブメントの黎明期より分子生物学者として活動。世界初の培養肉ハンバーガー開発チームの一員。以来、培養肉実現の夢を追求。培養肉を誰もが利用できる独自の計画を考案し、Meatableを創設。MeatableのCTO（最高技術責任者）として、培養肉生産のスケールアップに向けた技術的取り組みを統括。

島村 雅晴

培養肉の研究開発会社、ダイバースファームの共同創業者 兼 チーフ フードテック オフィサーとして、また、日本料理「雲鶴」のオーナー料理長としてミシュラングリーンスターを獲得。細胞の採取、培養から料理に仕上げるまで包括的に従事。

「再生医療と培養肉：技術とビジネスの循環」

本プレゼンテーションでは、再生医療技術を基盤とする培養肉の製造方法や種類、ハイブリッド型の特徴、培養足場の有無による違いなどについて解説する。さらに、シェフが開発に関与することの意義や役割にも触れ、食の専門家との協働が培養肉の価値向上にどう寄与するかを考察する。当社は、人工皮膚や人工心臓弁の開発で培った技術を応用し、培養肉の研究を進めている。こうした取り組みは、再生医療への関心を高めるとともに、新たな応援の形を生み出す機会にもつながる。本講演では、培養肉が社会にもたらす可能性や受容の広がりを探り、これからの社会との関わり方について多角的な視点から考える。

パナギオティス・ヴラチョギアニス 氏

Nutrecoのビジネス開発アソシエイト。培養肉エコシステムの成長を支援。戦略的イノベーションと代替タンパク質に関するバックグラウンドを持ち、パートナーシップと技術を通じてスケーラブルで持続可能なソリューションの実現に注力。新興タンパク質分野で、科学・ビジネス・持続可能性を繋ぎ、食の未来形成に貢献。

松﨑 典弥 氏

鹿児島県生まれ。2003年に鹿児島大学で博士号を取得。2003年より大阪大学にてポスドクとして研究活動を開始。2004年ルンド大学の客員研究員。2006年大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻に助教として着任。2015年准教授、2019年教授に昇任。2008年から2011年、2015年から2019年までJSTさきがけ研究員（兼務）。大阪科学賞、文部科学大臣表彰若手科学者賞など22の賞を受賞。研究テーマは、再生医療や創薬への応用を目的としたバイオマテリアルと組織工学。

「Meat Makerによる未来の食生活の変革」

我々は組織工学技術を活用することで、和牛の筋組織と脂肪の三次元構造をテーラーメイドで再現可能なミートメーカーを開発した。ミートメーカーが将来の食生活をどのように変革するか議論する。

ニコラース・フレス 氏

NIZO Food Research （NIZOフードリサーチ）CEO（2023年より現職）。NIZO入社以前は、B2B向け乳製品原料の世界的リーダーであるProlactal GmbHのCEOを務める。また、ICL Food SpecialtiesおよびNutriDutch乳製品工場（現Vreugdenhill社）で複数の上級管理職を歴任。

オランダ出身。民法の学士号および会社法の修士号を取得。INSEADおよびロンドン・ビジネス・スクールでエグゼクティブMBA取得。

未来の食料生産：精密発酵スケールアップ施設

精密発酵は、持続可能なタンパク質の開発において極めて重要な役割を果たす。
NIZO Food Researchは、精密発酵の研究室から商業生産へのスケールアップを実現し、市場投入に向けた製品およびプロセスの検証を可能とするため、食品グレードのパイロット施設をバイオテクノロジー発酵工場（BFF）とともに拡張している。

ホジン・カン 氏

在ソウルオランダ大使館農業アドバイザー。主な役割は、農業食品政策、貿易、知識交流の分野でオランダと韓国の協力を促進すること。大使館勤務以前は、ロッテ研究開発センターで乳製品および健康食品の研究に従事。

遠山 梢 氏

100年以上にわたり、国内外で包装容器を製造販売してきた東洋製罐グループにおいて、事業開発マーケティング部長として、社会的・経済的価値を創出する事業開発を担当。市場調査やパートナーシップ構築、スタートアップ投資に従事。シンガポールでは、

Agri-FoodやBlue Economy領域の事業機会探索を行い、細胞性食品Shiok MeatsやUmami Bioworks、ImpacFat、スマート養殖Umitron、海藻機能性原料Seadlingといったスタートアップに出資。スタートアップやアカデミア、政府機関など現地エコシステムのステークホルダーとともに事業共創を推進。

片桐 秀樹 氏

西村あさひ Agri Food Legal Practice GroupのCo-Founderであり、Novel Food 分野における国内外の規制調査、Go to market strategyの立案、パートナーシップ構築支援など、Agri/Food techを中心に国内外における案件のソーシング及び実務対応に従事。2021年から2023年まで、オランダのWageningen大学 に留学（Msc Food Law & Regulatory Affairs専攻）し、現地のFood Tech スタートアップにてRegulatory Leadとして、規制対応等に従事。

フランク・エヒング 氏

起業家精神が常に一貫したテーマ。食品工学を学び、フードマネジメントの修士号を取得後、研究開発分野でキャリアを開始。複数の管理職で実務経験を積む。幅広いネットワークを活かし、食品業界における研究開発コンサルタント事業を容易に立ち上げた。タンパク質転換に関する経験を踏まえ、5年前にSynergy in Food Entomoを設立。その後まもなく、ブランド「Be Frank」を立ち上げた。

イラ・ファン・エーレン 氏

デザイナー、オーガナイザー、スピーカーとして活躍。活動の目的は、科学、アドボカシー（啓発活動）、創造性の統合による、食の未来と農業の進化の推進。細胞農業および培養肉分野における主導的提唱者。培養肉研究の先駆者である父、ウィレム・ファン・エーレン氏の遺志を継ぎ活動を継続。
RESPECTfarms、KET、NCAの共同創設者。CAN（セルラー・アグリカルチャー・ネザーランズ）共同創設者として研究・教育・事業拡大に従事。ナショナル・グロース・ファンドのプログラム実行にも尽力。

吉富 愛望アビガイル 氏

一般社団法人細胞農業研究機構の代表理事（https://www.jaca.jp/）。細胞性食品（いわゆる「培養肉」等）の分野にて2019年より政策提言などに関わる。農林水産省フードテック官民協議会細胞農業WT事務局長、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員を兼務するほか、経済産業省バイオものづくり革命推進WGの委員を務める。それ以前は欧州系投資銀行のM&Aアドバイザリー部門、暗号資産や伝統産業×機械学習をテーマとして開発を行うスタートアップ等に勤務。2020年にForbes Japanの選ぶ「世界を変える30歳未満30人の日本人」のLaw and Policy部門を受賞。

シンディ・ヘルハーツ 氏

食品分野で25年以上の経験。2006年以降、dsm-firmenichに勤務し、健康的かつ持続可能な新たな食品原料を多数開発。dsm-firmenich主導のもと、バイオテックキャンパス・デルフトに19社のバイオテック企業を擁する急成長中のイノベーションエコシステムPlanet B.io（プラネット・バイオ）を設立。大学や行政機関、大企業・中小企業と効果的に連携。オランダ国内バイオテック組織4社の取締役も兼任。

「オランダ：イノベーションエコシステムがリードする食の未来」

オランダには、コラボレーションを通じたイノベーションの文化が強く根付いている。いわゆるイノベーションエコシステムは、欧州・国家・地域の政府、教育・研究機関、NGO、投資機関、中小企業から大企業に至るまで、あらゆる関連プレーヤーを積極的に結集することを目的としている。

小川 順 氏

1995年京都大学農学研究科農芸化学専攻博士後期課程修了。専門は応用微生物学。2006～2007年フランス国立農業研究所客員研究員。2009年より現職（京都大学大学院農学研究科応用生命科学専攻・発酵生理及び醸造学分野・教授）。2015年第14回オレオサイエンス賞（日本油化学会）、2018年食品免疫学会賞（日本食品免疫学会）、2020年Ching Hou Biotechnology Award（米国油化学会）、2021年Chevreul Medal Award 2021 (French Society for the Study of Lipids)、2025年日本農芸化学会賞。

「日本における精密発酵の現状と今後の展開」

アミノ酸発酵、核酸発酵、油脂発酵といった近代発酵技術の開発を牽引してきた日本において、最新技術により所望の食品成分を特異的に効率生産する精密発酵技術がどのように受容され浸透し、展開されていくのかを議論したい。

ワーへニンゲン食品バイオベース研究所において「最適な健康のための栄養プログラム」のプログラムマネージャーを務める。より健康的で持続可能な食生活を推進するための研究協力育成に尽力。人間生物学の博士号を持ち、学術界と産業界で15年以上の経験。あらゆるライフステージにおける栄養と健康の改善に情熱を注いでいる。

イノベーティブな技術が、多様な原料から得られる植物由来タンパク質の開発を加速させている。これらの技術革新は、動物性タンパク質に代わる持続可能な選択肢を提供するだけでなく、味や食感の向上にも注力し、消費者体験の全体的な質を高め、植物由来食への移行を支えている。

落合孝次氏

植物性食品の研究開発における先駆者であり、SprouTx株式会社の代表取締役社長。2006年に、自身のバイオベンチャーであるシードライフテックを設立し、数千回におよぶ発芽実験と、種子内で変化するアミノ酸・ビタミン・ミネラル・オリゴ糖などを精密に分析。これをもとに、独自の特許技術「落合式発芽法（O-SM）」を開発しました。発芽と発芽制御のエンジニアリング、そして栄養成分の分析という三位一体の地道な研究が、同社のイノベーションの核となっています。この技術により、植物性タンパク質の旨味や栄養価を高め、「肉・卵・魚・乳製品」におけるハイブリッド分野に革新をもたらしています。SprouTxは、オランダのワーゲニンゲン大学およびNIZO Food Researchと連携し、欧州での事業展開を進めるほか、ICL Food Specialtiesと共同開発した「ROVITARIS® SprouTx™」が、FoodBev Mediaによる2025年のWorld Food Innovation Awardsで「Best Plant-Based Product」賞を受賞。持続可能な食文化の実現に向け、発芽技術を軸としたフードテックの推進に尽力しています。

「発芽技術で拓く、持続可能な植物食品」

進化する植物性プロテインの世界における機会と課題に対し、SprouTxの独自アプローチを紹介します。未来の食文化とたんぱく質不足の解決には、植物の可能性を高付加価値へと変える高度な素材開発と設計技術が不可欠です。SprouTxは独自の特許技術を軸に、植物由来の栄養を分子レベルでとらえ、発芽技術によって新たな旨味と機能を引き出し、次世代のプラントベース食品を創造しています。

リオ・コーニング

学生時代、クライメート・ポジティブなビジネスの可能性と必要性を認識。1994年に「Green products for growth in business（ビジネス生長のためのグリーン製品）」と題する論文で卒業。現在、サステナビリティと健全なビジネスはかつてないほど注目されている。

フードバレーが運営するザ・プロテインコミュニティ（The Protein Community）のマネージャーとして、150社以上の食品企業がプロテイントランジションにおいてより迅速にイノベーションを実現できるよう支援。バリューチェーン全体を通じたインパクトのある協業に注力している。趣味はテニスと音楽。

橋詰 寛也

株式会社Kinishの創業者兼CEO。Kinishは日本と米国で事業を営んでおり、双方の事業開発全体をリードしている。Kinishを創業する前は日本マクドナルド株式会社に在籍、プライシング戦略部の責任者を担当した後に、デリバリー事業部の事業開発責任者を担当。日本マクドナルドに在籍する前はPwCコンサルティング合同会社にて戦略コンサルティングに従事。BtoCビジネスの戦略立案やマーケティング、分析を得意とする。

寄玉 昌宏

「あなたの『食べる』をもっと自由に」をビジョンとして掲げる、株式会社NINZIAの創業者・代表取締役。立命館大学卒業後、大手メーカー勤務を経て、農業スタートアップで働きながら、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科を修了。2016年に法人設立。当初の介護関連事業から転換し、現在は日本の独自素材であるこんにゃくの食物繊維の働きに着目。糖や脂質に頼らない独自のテクスチャ・エンジニアリング技術を開発し、日本から世界に「新しい食のカタチ」を提案しています。現在、大阪大学大学院工学研究科後期博士課程に在籍中。

吉岡 忠祐

任天堂、Amazon、トランスコスモス、クックパッド、ワールド等の大手企業で数多くの製品開発や新規事業開発に従事した一方で、自身での起業や事業経営、ベンチャーキャピタル内におけるEIR（客員起業家）等を幅広く経験。

Plug and Play Japan では、フード&ビバレッジ チーム の ディレクターとして、主に食・農領域のイノベーションを推進。

慶應義塾大学経済学部卒、IESE Business School MBA修了。

島村 雅晴

大阪に店を構える日本料理雲鶴のオーナーシェフとして、日々料理を創作。加えて、培養肉研究のダイバースファーム株式会社や、環境負荷の小さい養殖魚の研究や啓発活動を行うRelationFish株式会社を立ち上げ、持続可能な食の未来のために活動している。様々なサスティナブルな食への取り組みが評価され、ミシュラングリーンスターを獲得しています。

シャロン・デ・ミランダ

レストランやテレビで20年以上の経験を持つシェフ。複数の料理本を著し、持続可能な食を熱心に提唱する。2020年以降、フレボランド州のフードエキスパートとして、食のイノベーションと健康的な食生活に注力。深い専門知識と創造的なアプローチを駆使し、ガストロノミー、健康、地域の食システムをつなぐ役割を果たしている。

クラースヤン・ヨーステン

トゥウェンテ大学にて応用コミュニケーション科学の修士号を取得し、FMCG国際小売を専攻。グローバルな食品企業との商業活動において豊富な経験を有する。現在、Boermarkeのコマーシャルディレクターとして、チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム分野における植物由来乳製品代替品で同社を世界的リーダーにすることに注力している。

プク・クラウス

De Nieuwe Melkboer（The New Milkman）で製品開発を担当。革新的で持続可能な植物由来乳製品代替品の開発に注力。応用ガストロノミーの修士号を持ち、食品システム思考に強い関心を寄せ、食材の栽培・加工、食体験の創造に情熱を注ぐ。現在は、環境的価値観と消費者の味覚期待の双方に適合する次世代の植物由来乳製品の開発に従事。

ダニエレ・リウウェン

オランダは12の州に分かれており、それぞれが地域政府にあたる。これらの州を代表し、食卓から農場へ（Fork to Farm）へのタンパク質供給の転換を促進するため、どのように連携しているかについて紹介する。北ホランド州の食料政策担当者。この州はアムステルダム市を含む2.8百万人の人口と1.6百万人の就業者を擁する活気ある地域である。経済的観点から見ると、オランダ経済において最も重要な地域のひとつと言える。

齋藤 努

1995年不二製油入社。中央研究所にて大学時代から研究していた大豆たん白を対象に新素材を開発。2007年より2年間農林水産省に出向。2015年より不二製油グループ本社・未来創造研究所の新素材創出グループでリーダーを務め、同社の強みである植物性の油脂とたん白を組み合わせたおいしさに関わる新素材・新技術開発を率いる。2023年より新規事業として風味基材事業を立上げる。風味基材事業部 部長（現職）。

「満足感に植物性から向き合う技術『MIRACORE🄬／ミラコア』」

植物性油脂とたん白の技術融合で動物性食品特有の「満足感」を具現化する技術「MIRACORE®／ミラコア」。あらゆる料理の味づくりの土台となる植物性ダシを展開。動物を使わないことで様々な食の課題を解決できるという新概念（オールパーパス）を紹介。

マヨレイン・ブラハト

ワーへニンゲン食品バイオベース研究所において「最適な健康のための栄養プログラム」のプログラムマネージャーを務める。より健康的で持続可能な食生活を推進するための研究協力育成に尽力。人間生物学の博士号を持ち、学術界と産業界で15年以上の経験。あらゆるライフステージにおける栄養と健康の改善に情熱を注いでいる。

要旨：「変化の階段：消費者をより植物ベースの食事へ移行させる」

健康的な植物中心の食事への消費者の移行を促進するには、革新的かつ効果的な戦略が必要です。これらの食事の受け入れを高めるためには、消費者の主要な動機を理解するとともに、味や調理スキルなどの障壁に対処し、植物ベース食品の味や食感を改善することが求められます。

セバスチャン・アルファン

アグリフード分野で15年以上の経験を持つエキスパート。フランスのVion Food Groupeで4年間ゼネラルディレクターを務め、肉製品に関する確かな専門知識を習得。その後、植物由来食品の卸売業者であるInnoVeg Foodを共同設立。2020年9月からはINVEJAのセールスディレクターとして、植物由来タンパク質ソリューションの開発を統括している。

要旨：「ルピナスの力を解き放つ：ひと粒の種に宿る革新」

ルピナスは、有益な豆科植物として持続可能なアグリフード分野で注目を集めている。1978年からパイオニアとして活動するInvejaは、この栄養価の高い植物を健康的で環境に優しいタンパク質の代替として推進している。ルピナスはタンパク質と食物繊維が豊富で、グルテンフリーであるため、健康志向の消費者に支持されている。ルピナスとInvejaは共に、持続可能で健康的な食の未来を象徴している。

テッサ・ライン

創造的かつ革新的な思考力で知られ、起業家精神において圧倒的な存在感を放つ。起業家としての歩みは数々の受賞歴によって称賛されており、複数回のFD Gazellen賞のほか、EY®によるEY Winning Women Internationalにも選出されるなど、その先見性と「止まらない存在」であることを追求するリーダーシップが高く評価されている。SNX®の創設者として、より健康的で持続可能かつ美味しいスナック市場の創造に挑戦し続けている。

要約：「ジャンクフードの再発明：SNX、今ならすべてを手に入れられる」

「ジャンクフードを食べるな」と言われたら、かえって余計に食べたくなるだろう。行動を変えられないのなら、製品を改良すればよい。SNXはそれを実行し、栄養価AおよびBの評価を受けたスナック代替品のみを製造・供給している。

ル・アン・ウィリアムズ

オランダを拠点とする世界的なマーケットリサーチ会社、イノーバ・マーケット・インサイツ社において、グローバルSVPリサーチおよび共同創業者として、コアリサーチおよび新しいツールやサービスの開発を統括。90か国以上にわたる現地リサーチャーネットワークを担当し、食品、飲料、原料、パッケージング分野のイノベーターと協力しながら、彼らのイノベーション、製品開発、マーケティング、戦略的成長を支援。

要旨：「明日の食を考える：消費者の視点から見直すタンパク質」

健康志向が需要を牽引し、タンパク質が最優先課題となる一方で、味も依然として不可欠である。消費者は妥協のない、栄養価が高く美味しい食事を求めている。このニーズを満たすには、世界が持続可能性を重視しながらタンパク質摂取量を高める方向へシフトする中、大規模なイノベーションが必要となるだろう。

コラリー・デ・レスカーゼス

持続可能性と植物ベース食品への情熱に駆られ、代替タンパク質ブランドThe Vegetarian Butcherのアジア太平洋地域での拡大を担う。

要旨：「アジア太平洋地域における植物性タンパク質カテゴリーの成長を加速する：新しい肉の消費者トライアルと受容をどう促進するか」

フレキシタリアン人口が増加する中、より嗜好性が高く美味しい代替タンパク質を消費者に届けるか。

The Vegetarian Butcherは、その歴史を通じて複数の国や地域でカテゴリーとブランド構築に豊富な経験を持つ。本発表では、当社の歩み、学びの軌跡、そしてカテゴリーの将来ビジョンを共有する。

ミヒール・プロンク

ヘルシーフード原料業界におけるイノベーション、開発、および販売に情熱を注いでいる。この分野で20年以上の経験を有する。Royal Cosun傘下のSensusでテクニカル・セールスマネージャーおよびセールスマネージャーとして10年以上勤務した。より持続可能で健康的な世界を築くというコミットメントは、2022年にCosun Proteinを立ち上げ、植物性タンパク質への情熱として結実している。

健康的で持続可能な植物ベースの食品原料

当社は耕作作物から機能性成分を抽出している。植物性タンパク質は動物性タンパク質の優れた代替品であり、食品の風味や食感を損なうことがない。また、当社はイヌリン繊維を使用して砂糖や脂肪の代替を進めている。これらの成分は健康に良い影響を与える。このように、当社の食品原料は、健康的なライフスタイルに重要な貢献を果たすものである。

佐々木 英之

キッチンカーの運営など早くから起業した経験を活かし、海外に目を向け、中国深センにて 12年間、様々な事業に携わる。 大企業向けのアクセラレータプログラムや、メディア運営、研修支援などを経験。環境課題や社会貢献できるビジネスに関心があり、代替肉ビジネスの将来性を確信し研究をスタートさせ、2020 年 6 月にネクストミーツを設立。現職に至る。国内外のメディアで話題となり日本を代表する代替肉ベンチャーとなる。中国語ビジネスレベル。趣味は音楽。

'Upcycling Rejected Green Bananas into Gut-Boosting Fiber'

規格外グリーンバナナ由来のレジスタントスターチの機能性と、グルテン・グレインフリーで無味無臭の特性を活かした商品開発事例をご紹介。本セッションでは、日本で人気急上昇中の腸活プロテインを通じた、White Form Greenのタンパク質クライシスへの独自アプローチについても共有する。

工藤 泰正

熟す前のグリーンバナナから、腸内環境に寄与する天然の機能性素材「バナナ由来レジスタントスターチ」を高濃度で抽出する技術を持つ日本のスタートアップ、White Form Greenの代表取締役CEO。レジスタントスターチは、腸内環境の改善、血糖値上昇の抑制、ダイエット効果などが科学的に示されている注目素材。原料を探して訪れたバナナ農園で、サイズや傷を理由に、全体の15〜30％が市場に流通できずに廃棄されている現実を知る。同社はそれらを有効活用することで、フードロスの削減と農家の収益向上に貢献しており、自然な素材を通じて薬に頼らない健康づくりを支え、世界中の人々の「未病」に貢献することを目指している。 

綿貫 智香

キユーピー株式会社は、マヨネーズ、ドレッシングを中心にサラダや調理食品を世界で展開する食品メーカーである。同社の代表的な商品である「キユーピーマヨネーズ」は、今年、発売100周年を迎えた。GREEN KEWPIEという新しいブランドを立ち上げ、ブランドマネージャーとしてブランディングに携わる。GREEN KEWPIEブランドは、サステナブルな食を展開するブランドとして、世界での展開を進める。 

Jean Rummenie

クリス・ファン・ホフ

クリス・ファン・ホフは、imecの研究開発（R&D）副社長兼ワンプラネットリサーチ センターのジェネラルマネージャーです。電気工学の博士号（1992年）を取得した後、imecで多様なチームを率いてきました。クリス氏は、予防医療、個人に合わせた栄養、持続可能な食料生産、廃棄物の削減が、次世代のためのより良い世界を実現するための不可欠な要素であると信じています。彼は、これらの目標を達成するための鍵となるツールとして、技術が重要な役割を果たすと確信しています。また、ルーヴェン大学教授兼imecフェローでもあります。

半導体チップとデジタル技術による健康な生活の実現とタンパク質シフト

持続可能な健康、持続可能な農業、持続可能な食料は、私たちの社会が直面する最大の課題の一つです。技術革新——特に半導体チップ技術革新——は、食料5.0と健康5.0への必要不可欠な移行を支援し、持続可能な経済的・社会的価値を両立させるための手段となる可能性があります。

シンディ・ヘルハーツ

食品分野で25年以上の経験。2006年以降、dsm-firmenichに勤務し、健康的かつ持続可能な新たな食品原料を多数開発。dsm-firmenich主導のもと、バイオテックキャンパス・デルフトに19社のバイオテック企業を擁する急成長中のイノベーションエコシステムPlanet B.io（プラネット・バイオ）を設立。大学や行政機関、大企業・中小企業と効果的に連携。オランダ国内バイオテック組織4社の取締役も兼任。

「私たちは進歩を現実のものにします」

栄養、健康、美容の分野で革新をリードするdsm-firmenichは、世界の人口増加に対応し、人々の健康と生活の質を向上させるために、重要な栄養素、風味、香りを再定義し、製造し、組み合わせます。自然由来で再生可能な原料と、世界トップクラスの科学技術力を組み合わせた包括的なソリューションを通じて、生命に不可欠なものを創造し、消費者が求める価値を提供し、地球の持続可能性に貢献します。当社は、イノベーションを牽引する科学的重点分野を紹介し、4つの革新的なソリューションについて議論します：栄養価と機能性を兼ね備えた植物由来のタンパク質、環境への大きなメリットをもたらすカロリーフリーの糖代替品、魚油由来のオメガ-3の代替となる藻類由来の製品、および栄養失調の解消に向けた協業プロジェクトです。

エミール・ファン・デル・スターク

エミール氏はミシュラン二つ星を獲得しているレストラン「De Nieuwe Winkel」のシェフ兼オーナーです。持続可能性への取り組みが評価され、グリーンミシュランスターも獲得しています。また、2022年と2023年には「We’re Smart Green Guide」によって世界最優秀ベジタブルレストランに選ばれました。ボタニカルガストロノミーで知られる彼のプラントベース料理は、生態系と調和するアプローチを採用しています。エミール氏は料理の技術、科学、持続可能性を通じて食の未来を探求し、味覚、倫理、そして生物多様性が一つの皿の上で共存できることを示しています。

食の未来を形作る：タンパク質シフトから地球の健康へ

この基調講演で、シェフのエミール・ファン・デル・スタークは、食が生態系と文化の変革を促す強力な力となる可能性を探求します。植物学的なガストロノミーの哲学を基盤に、自然を支配するのではなく共生する調理法を通じて、シェフが職人技、創造性、倫理観を駆使してタンパク質シフトをリードする方法を示します。2つ星ミシュランレストラン「De Nieuwe Winkel」での事例を交えながら、植物、食料林、科学研究との協働が、単に美味しいだけでなく再生可能な料理を生み出すプロセスを明らかにします。

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篠崎 洋平

キッコーマンは、1917年の株式会社設立以来、100年近い歴史を刻んでおります。今では、100カ国以上でしょうゆを始め、さまざまな商品やサービスをお届けしています。私はキッコーマンの研究開発本部の研究員としてキャリアをスタートし、衛生検査キットの研究開発、しょうゆ関連発酵調味料の研究開発を担当しました。経営企画室スタッフを経て、現在は、研究開発マネジメント、研究テーマの管理・推進・事業化、オープンイノベーションの窓口を担当する組織を率いております。

食塩の過剰摂取は世界的な栄養課題の一つだといえます。本セッションでは、しょうゆの節塩効果として、食塩の一部をしょうゆで代替することで味を損なわずに減塩が可能であることを報告します。また、「超減塩しょうゆ」や、「適塩」の考え方も紹介します。

久間 和生

1977年に東京工業大学大学院 博士課程電子物理工学専攻を修了（工学博士）し、三菱電機株式会社に入社。光ニューロチップ、人工網膜チップ、画像処理システムなどの研究開発と事業化を推進し、2011年から代表執行役副社長として同社の発展に寄与した。2013 年から 2018 年まで内閣府総合科学技術・イノベーション会議の常勤議員として、新たな国家プロジェクト SIP、ImPACT の創設と推進、Society 5.0 のコンセプト構築等に貢献した。2018 年 4 月に農研機構理事長に就任し、農業・食品分野における Society 5.0 実現のための科学技術イノベーションの創出を推進する。

ミレイユ・アインヴァッハター

ミレイユ氏はRoyal FrieslandCampinaのチーフサステナビリティオフィサーを務めています。彼女は、全ての事業グループ、各部門、および協同組合に加盟する酪農家と緊密に連携しながら、同社の環境・社会・ガバナンス（ESG）プログラムの策定と実行を担当しています。ミレイユ氏はFrieslandCampinaの執行委員会の一員でもあり、CSOとして事業戦略とサステナビリティ戦略をつなげることで、組織内にサステナビリティを定着させています。サステナビリティを推進するには、今日と明日、栄養・地球・人々、既知と未知の間でトレードオフを行わなければなりません。そのトレードオフを実現する唯一の方法は、ビジネスに深く組み込んで目的や計画の一部とすることです。

About Ms. Helga Witjes

綿貫 智香

キユーピー株式会社は、マヨネーズ、ドレッシングを中心にサラダや調理食品を世界で展開する食品メーカーです。当社の代表的な商品である「キユーピーマヨネーズ」は、今年、発売100周年を迎えました。私は、GREEN KEWPIEという新しいブランドを立ち上げ、ブランドマネージャーとしてブランディングに携わっています。GREEN KEWPIEブランドは、サステナブルな食を展開するブランドとして、世界で展開をしていきます。

食の持続可能性：植物由来食品への挑戦

GREEN KEWPIEブランドは、現在、プラントベースの調味料や調理食品、卵代替品を中心に商品を展開しております。キユーピーは、日本で生産される鶏卵の約10％を使用しているメーカーであり、鶏卵の加工技術に関しては、13％の特許技術を世界で保有します。サラダや鶏卵をおいしく楽しむ食文化を未来に残すために、私たちが取り組んでいる活動についてお伝えします。

ニコラース・フレス

NIZO Food Research （NIZOフードリサーチ）CEO（2023年より現職）。NIZO入社以前は、B2B向け乳製品原料の世界的リーダーであるProlactal GmbHのCEOを務める。また、ICL Food SpecialtiesおよびNutriDutch乳製品工場（現Vreugdenhill社）で複数の上級管理職を歴任。

オランダ出身。民法の学士号および会社法の修士号を取得。INSEADおよびロンドン・ビジネス・スクールでエグゼクティブMBA取得。

健康な食生活への新たなアプローチ

代替タンパク質源は、より持続可能な食料への道のりで重要な役割を果たしています。消費者は、同様の味わいだけを求めているのではなく、健康的な製品を期待しています。本日のトピックでは、植物由来の代替品の健康効果に焦点を当て、特に「健康的なハイブリッド」の開発と、植物由来の食生活が脳の健康に与える影響についてご紹介します。

藤河 正英

福岡県出身、昭和42年11月生まれ。平成4年3月に九州大学大学院農学研究科を修了後、同年4月に農林水産省に入省。経済産業省における産業技術政策、農業・食品産業技術研究機構における食農ビジネス企画を経て、平成30年4月より出雲市副市長として地域振興に尽力。令和3年7月からは農林水産省農村振興局鳥獣対策・農村環境課長として指揮を執り、令和6年7月より近畿農政局次長として地域農業の発展に貢献している。

ヨハン・ガルセン

ヨハン・ガルセンはユトレヒト大学の免疫薬理学教授であり、ユトレヒト薬学研究所の薬理学部門長も兼任しています。さらに、Future Food Utrecht研究コミュニティのチェアを務めています。Danoneでは2002年以降、複数の役職を歴任し、現在はチーフサイエンティフィックアドバイザーを務めています。学歴はオランダのアムステルダム自由大学で医学と生物学を修めました。

食の健康と持続可能性：未来

人と地球のために機能する食品システムの構築。将来の食品が地球の限界と人間の生物学的ニーズに合致するようにするためには、現在の食品システムを批判的に見直すことが不可欠です。世界の多くの地域では食品の安全性と食料保障が実現されていますが、それでもなお十分な食料にアクセスできない人々が多く存在し、一方で過剰に栄養を摂取することで非感染性疾患を引き起こす人々もいます。

マヨレイン・ブラハト

ワーへニンゲン食品バイオベース研究所において「最適な健康のための栄養プログラム」のプログラムマネージャーを務める。より健康的で持続可能な食生活を推進するための研究協力育成に尽力。人間生物学の博士号を持ち、学術界と産業界で15年以上の経験。あらゆるライフステージにおける栄養と健康の改善に情熱を注いでいる。

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ル・アン・ウィリアムズ

オランダを拠点とする世界的なマーケットリサーチ会社、イノーバ・マーケット・インサイツ社において、グローバルSVPリサーチおよび共同創業者として、コアリサーチおよび新しいツールやサービスの開発を統括。90か国以上にわたる現地リサーチャーネットワークを担当し、食品、飲料、原料、パッケージング分野のイノベーターと協力しながら、彼らのイノベーション、製品開発、マーケティング、戦略的成長を支援。

新タンパク質のビジネス：動向、成長、およびグローバルな変化

新しいタンパク質がグローバルな食品市場をどのように変革しているかを探ります。このセッションでは、主要な応用事例、パッケージ表示の主張、そして最も高い成長ポテンシャルを有する新興トレンドに焦点を当て、企業が代替タンパク質ビジネスにおける現在の動向と今後の展望を把握するお手伝いをします。

亀井リズ

不二・ヨーロッパ・アフリカは、サステナビリティと食品関連のイノベーションを推進する欧州拠点です。マネージングディレクターとして、私はこれら2つの専門分野を担当し、チーム間のシナジー効果を高めることで、不二製油の「食の持続可能な未来を共創する」というビージョンへの貢献を確かなものにしています。多様な外部パートナーと連携し、新たな技術の導入や、不二の植物由来の専門知識を欧州市場で活用できるよう努めています。

食の持続可能な未来を共創する

不二・ヨーロッパ・アフリカは、日本とヨーロッパを結ぶグループの中核拠点です。オランダのフードバレーに位置する当社の立地は、植物由来の食品技術の最新動向にアクセスできるだけでなく、不二の専門知識とヨーロッパのノウハウを組み合わせた共創パートナーの潜在的な候補を特定する機会を提供しています。このプレゼンテーションでは、当社がパートナーエコシステムを構築した経緯と、オランダのパートナーと協力して持続可能な食の未来を実現するための具体的な事例を紹介します。

グイド・カンプス

グイド・カンプスはワーヘニンゲン大学&研究機構の准教授であり、Hungry Robots Labの主任研究員です。この8名の博士課程学生からなる学際的な研究グループは、栄養学、人工知能、センサー開発の分野の交差点で活動し、食事評価と食事行動分析のための革新的な手法の開発を目的としています。

トビアス・カンプス

トビアス・カンプスは、ハットン・キャタリングのケア&キュア部門責任者であり、医療関連事業（従業員300名、売上高€2000万）を担当しています。以前はフードフォーケアの経営陣（MT）の一員として、病院向けの革新的な栄養コンセプトの開発に従事しました。医療業界における事業開発とコンサルティングの経験を有し、さらにトビアスは「Stichting Special Heroes Nederland」の監督理事会メンバーでもあります。

微細藻類の代替品および補助食品でタンパク質シフトを促進する

患者と高齢者はタンパク質の必要量が高いです。動物性タンパク質の消費量は地球の持続可能な基準を大幅に上回っていますが、動物性タンパク質は植物性タンパク質よりも生物学的価値が優れています。本プレゼンテーションでは、このギャップを埋めるための新たな技術と素材について説明します。

山本（前田）万里

日本の国立研究機関である農研機構のエグゼクティブリサーチャーとして、食と健康に関する研究を推進。内閣府等事業の研究代表者として、食による健康長寿社会の実現を目指し、個人の体調、食習慣等に適した食事や不足している栄養・機能性成分を民間認証する仕組みの開発、機能性生鮮食品の開発、個人に適した機能性成分や食材を提案して国民のwell-beingに寄与する「豊かな食解析システム開発」を多くの民間企業とともに実施している。

食品成分の健康維持と促進における役割

個々人の健康を維持するために適した食事を設計するために、個人の情報や食品成分情報が必要です。そのような情報を収集して解析した結果や、体調管理に重要な栄養素や機能性成分、新たな食品開発を紹介します。

About Naam Voornaam

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ニコラース・フレス

NIZO Food Research （NIZOフードリサーチ）CEO（2023年より現職）。NIZO入社以前は、B2B向け乳製品原料の世界的リーダーであるProlactal GmbHのCEOを務める。また、ICL Food SpecialtiesおよびNutriDutch乳製品工場（現Vreugdenhill社）で複数の上級管理職を歴任。

オランダ出身。民法の学士号および会社法の修士号を取得。INSEADおよびロンドン・ビジネス・スクールでエグゼクティブMBA取得。

栄養とマイクロバイオーム：食品と健康のイノベーションにおける新たな可能性

消費者のマイクロバイオームと腸内健康への影響に関する意識は急激に高まっており、新たな開発機会が生まれています。NIZOの統合的なアプローチは、消化管のインシリコ予測とインビトロシミュレーションを通じてイノベーションを加速し、現在、最先端の「腸脳チップ」モデルによって拡張されています。

寺内 淳

武田薬品工業や小野薬品工業で創薬研究中心の業務に従事後、2022年より現職。武田在籍時に米国ピッツバーグ大学にて博士研究員。

日本マイクロバイオームコンソーシアム(JMBC)の運営委員長を現職と兼務。JMBCでは、複数の国プロジェクトにてアカデミアなど多くの機関と共同で事業を推進。

ヒューマンサイエンス振興財団理事、バイオ産業情報化コンソーシアム理事、日本製薬工業協会研究開発委員会副委員長等を歴任。

専門はマイクロバイオーム、創薬研究戦略、プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメント、メディシナルケミストリー。

京都大学大学院工学研究科合成化学専攻 博士課程修了　博士（工学）

マイクロバイオーム研究の進展と健康共有社会の実現

マイクロバイオーム研究の社会実装に向けたコンソーシアム活動とともに医療応用である腸内細菌叢移植の現状を共有します。健康を社会全体で共有するヘルスシェア・コミュニティの重要性と、そのための取り組みについて紹介します。

ヨハン・ガルセン

ヨハン・ガルセンはユトレヒト大学の免疫薬理学教授であり、ユトレヒト薬学研究所の薬理学部門長も兼任しています。さらに、Future Food Utrecht研究コミュニティのチェアを務めています。Danoneでは2002年以降、複数の役職を歴任し、現在はチーフサイエンティフィックアドバイザーを務めています。学歴はオランダのアムステルダム自由大学で医学と生物学を修めました。

食は健康維持と免疫力の向上における重要な要素

私たちの体は、常に多くの異なる危険信号に襲われています。強靭で効果的な免疫システムは、体を守るため、そして修復するため不可欠です。免疫システムの重要な部分は消化管に存在し、このため摂取した食物成分に非常に近い位置にあります。免疫応答のバランスが崩れることは、慢性肺疾患、アレルギー/喘息、糖尿病、がん、心血管疾患、さらには肥満など、非伝染性疾患（NCDs）の急増に重要な役割を果たしているようです。WHOによると、NCDsは高所得国だけでなく、中所得国や低所得地域でも重要な問題となっています。NCDsの発生率と重症度の急増を予防し治療するための新たなアプローチを開発することは不可欠です。最も有望なアプローチの一つが「健康な」食品です。特に免疫関連疾患の予防と治療を目的とした新たな食品概念の開発は、重要なステップであり、注目すべき課題です。

寄玉 昌宏

「あなたの『食べる』をもっと自由に」をビジョンとして掲げる、株式会社NINZIAの創業者・代表取締役。立命館大学卒業後、大手メーカー勤務を経て、農業スタートアップで働きながら、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科を修了。2016年に法人設立。当初の介護関連事業から転換し、現在は日本の独自素材であるこんにゃくの食物繊維の働きに着目。糖や脂質に頼らない独自のテクスチャ・エンジニアリング技術を開発し、日本から世界に「新しい食のカタチ」を提案しています。現在、大阪大学大学院工学研究科後期博士課程に在籍中。

数百年にわたる日本の伝統に基づくテクスチャ・エンジニアリング

タンパク質であれ、脂質であれ、栄養摂取そのものではなくカタチあるものを「食べる」という行為こそがWell-beingの源泉になります。本セッションでは、あらゆる食（未来の代替食を含む）の成型と食感の創造に伝統素材が果たす役割を議論します。

大石 憲司

乳酸菌飲料をグローバル展開している株式会社 ヤクルト本社の研究員として、東京に所在する当社の中央研究所およびベルギーに所在する非営利法人 ヤクルト本社ヨーロッパ研究所において、プロバイオティクスおよび腸内細菌のヒト消化管内での動態や生理機能の追究に取り組んできました。現在は、研究戦略や広報戦略を策定して国内外の学術活動を推進する部署に所属しながら、R＆D部門の特命事項に従事しています。

プロバイオティクスの健康への役割：ヤクルトの研究開発とイノベーション

当社の主力プロバイオティクス商品（乳酸菌シロタ株はっ酵乳）の生理機能の実証研究や製品開発におけるイノベーションを紹介しながら、健康におけるプロバイオティクスの役割について概説します。